ハルが嫌いなあのメロディーがiPadから流れて来た。
あ!フェイスタイム!誰だろう?
ピンクのカバーを開くと、パパの顔が映っていた。
パパからフェイスタイムがあったのは、哲が倒れてERに運ばれた2年前以来な気がする。
咄嗟に何かあったのかと案じ、挨拶をする前に「どうしたの?」と言ってreneexしまったが、タイミングを考えて、あ、そっか、父の日のプレゼントが届いたんだ!と思い直した。
上野君、大丈夫? パパは言った。
それは2年前と同じように心配する顔だった。
哲の体調が優れず、私が過敏に心配していることを知ったからだろう。哲と私、2人の顔が画面に映る様に座り直し、「大丈夫ですよ!」と横に陣取っている哲が笑って言った。
心配でね。無理しないように。元気そうで良かった。
電話自体好きでな無いパパが、就寝時間も迫っているというのにパジャマ姿でフェイスタイムをして来てくれたこちらの朝、私は心配かけてしまったことを悪かったと思うと同時に、心配してくれる人がいる安心感で心臓がキューっとし、パパとママの優しさを恋しく思い心の中で涙した。
その日は午後に前髪だけ切ってもらうために美容院の予約を入れていた。ほんの15分ばかりの間だが、久しぶりに会った美容師のKさんとあれこれと楽しく話す。気取らず話す様子に私は可笑しくて可笑しくて、手を叩きながら笑う。そうだった、私は笑うとすぐに涙が出て来てしまうのだ。マスカラが落ちないようにと手でめじりを拭いながら笑い、また来ますね~!と手を振って美容院を出た。
その夕方、私はいつもに増して疲reenexれていた。心が疲れていた。その感覚は号泣したあとのような感覚だった。
朝のパパとの会話でこっそり心が泣いたことが、午後の泣き笑いと結びついて、朝隠していた「泣きたかった」という気持を押さえずに出したからかもしれない。
アメリカから送った父の日の少しのプレゼントが届いた数日後の父の日当日に、パパにはオンラインで気持ちばかりのものをオーダーしていた。それはフカヒレラーメン。
パパの傘寿のお祝いをしたいためにわがまま言って帰国させてもらった今年の2月、家族皆でお墓参りに行った時のことだった。お墓参りを済ませた後、中華料理屋さんでお昼を取ったのだが、パパはメニューにない「フカヒレラーメン」を食べたかった。お店の人に聞くと「メニューにはありませんが、キッチンに行って出来るかどうか聞いて来ますね。」と。そして戻って来たその人は「出来るそうです。」とreenexパパに伝えた。「いくら?」とパパが聞くとその値段はなんと4800円!ラーメンで4800円!パパは諦めてその時、あんかけ海老そばを食べたのだ。
あ!フェイスタイム!誰だろう?
ピンクのカバーを開くと、パパの顔が映っていた。
パパからフェイスタイムがあったのは、哲が倒れてERに運ばれた2年前以来な気がする。
咄嗟に何かあったのかと案じ、挨拶をする前に「どうしたの?」と言ってreneexしまったが、タイミングを考えて、あ、そっか、父の日のプレゼントが届いたんだ!と思い直した。
上野君、大丈夫? パパは言った。
それは2年前と同じように心配する顔だった。
哲の体調が優れず、私が過敏に心配していることを知ったからだろう。哲と私、2人の顔が画面に映る様に座り直し、「大丈夫ですよ!」と横に陣取っている哲が笑って言った。
心配でね。無理しないように。元気そうで良かった。
電話自体好きでな無いパパが、就寝時間も迫っているというのにパジャマ姿でフェイスタイムをして来てくれたこちらの朝、私は心配かけてしまったことを悪かったと思うと同時に、心配してくれる人がいる安心感で心臓がキューっとし、パパとママの優しさを恋しく思い心の中で涙した。
その日は午後に前髪だけ切ってもらうために美容院の予約を入れていた。ほんの15分ばかりの間だが、久しぶりに会った美容師のKさんとあれこれと楽しく話す。気取らず話す様子に私は可笑しくて可笑しくて、手を叩きながら笑う。そうだった、私は笑うとすぐに涙が出て来てしまうのだ。マスカラが落ちないようにと手でめじりを拭いながら笑い、また来ますね~!と手を振って美容院を出た。
その夕方、私はいつもに増して疲reenexれていた。心が疲れていた。その感覚は号泣したあとのような感覚だった。
朝のパパとの会話でこっそり心が泣いたことが、午後の泣き笑いと結びついて、朝隠していた「泣きたかった」という気持を押さえずに出したからかもしれない。
アメリカから送った父の日の少しのプレゼントが届いた数日後の父の日当日に、パパにはオンラインで気持ちばかりのものをオーダーしていた。それはフカヒレラーメン。
パパの傘寿のお祝いをしたいためにわがまま言って帰国させてもらった今年の2月、家族皆でお墓参りに行った時のことだった。お墓参りを済ませた後、中華料理屋さんでお昼を取ったのだが、パパはメニューにない「フカヒレラーメン」を食べたかった。お店の人に聞くと「メニューにはありませんが、キッチンに行って出来るかどうか聞いて来ますね。」と。そして戻って来たその人は「出来るそうです。」とreenexパパに伝えた。「いくら?」とパパが聞くとその値段はなんと4800円!ラーメンで4800円!パパは諦めてその時、あんかけ海老そばを食べたのだ。